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電子書籍と日本語

【蒲池明弘プロフィール】

フリーライター。主にビジネス関係の文章を執筆。妻は大手新聞社の記者。高齢出産の男児(3歳)は
練馬区立の保育園に通園中。

  
投稿者 : admin 投稿日時: 2012-06-25 10:18:00 (261 ヒット)

自分の知らない分野のことを書く場合、ジュンク堂池袋本店の棚にある関連本にざっと
目を通すことにしています。多くの人がやる手だと思いますが、そうすれば、細部は
ともかく大きな流れはつかめるからです。
これだと思う本を一、二冊買って帰るわけですが、似たようなというか、ほとんど
同じ内容の本が多いことにあきれてしまいます。
実名をあげると差し障りがあるのでやめますが、たとえば『電子書籍のすべてがわかる』
『電子書籍が120%わかる』『完全理解 電子出版』という感じでタイトルこそ
微妙に違いますが、同一の著者でどうかすると出版社も同じです。

出版社の営業畑の人に聞いた話ですが、重版をかけて注文でちまちま売るよりも、
新刊本の扱いにして取次経由で全国にばらまいた方が手っ取り早いので、タイトル
以外はほとんど変わらないような新刊本が少なからずあるというのです。
電子書籍のプラス面のひとつは、こうした安易な本作りが淘汰されることではない
でしょうか。電子書籍は一度、作れば、半永久的に販売することが可能です。
同じような内容でタイトルと表紙だけを変えて新刊本にするメリットはないはずです。
それをやれば恥です。

微々たる規模ですが、出版事業をはじめようとしている筆者の目標は、ジュンク堂の
棚にもamazonの倉庫にも、国会図書館のデータベースにも類似作がないような本を
作ることです。守秘義務めいたものがあって、あいまいな言い方になってしまいますが、
一人の歴史上の人物だけをテーマとした作品群を100の単位で出したいと思っています。
そんなものただの道楽ではないかと言われそうで、確かにそのとおりなのですが、
マイクロビジネスのケーススタディのひとつにするくらいのつもりで頑張ってみます。

昨年、このコラムをはじめたときの計画では、とっくに離陸していたはずですが、
私自身も関係各方面もノロノロ運転が過ぎるようで、いまだ滑走路をうろうろ
しています。用意していたテーマも枯渇し、とりあえず今回限りということに
していただきました。
一年ほどではありますが、おつきあいいただき、ありがとうございました。


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-05-25 11:00:31 (288 ヒット)

アマプロの仕事でVisaの記者会見に出席して、その日の本題ではなかったのですが、
興味深いデータを耳にしました。
消費者がモノやサービスを購入するとき、現金、クレジットカードのどちらを選んで
いるかについて調べると、日本は他の諸国と比較して、クレジットカードの使用比率が
著しく低いというのです。
オーストラリア54%、韓国53%、中国41%、アメリカ35%と主要国の多くは30%以上を
占めているのに対し、日本は14%で、ロシア、インドネシア、フィリピンなどとともに
下位グループを形成しています(ユーロモニター社による2010年の調査)。

Visaの説明によると、日本人は特に現金志向が強く、ひと昔まえまで立派な社会人は
自分の年齢の半分(三分の一?)の現金を持ち歩くものとも言われていたそうです。
過剰消費の温床で、ローン地獄への片道切符というイメージがいまでもあるので
しょうか。それにしてもロシア、フィリピン並みだというのは、この二カ国の人には
失礼ながら、ゾッとするような低い数字です。
国民性が多少かかわっているとしても、日本、ロシア、フィリピンに共通するのは、
電子的なマネーを扱う社会的なインフラが整備されていないということなのかもしれ
ません。
ちなみに韓国、中国におけるクレジットカード使用率が高いのは、政策的にカード
使用を奨励しているからだそうです。

掛け声のわりに日本で電子書籍の普及がすすまない理由については、いろいろ言わ
れてはいますが、ここに看過できない障害があることがわかります。
電子書籍はクレジットカードでの支払いが前提だからです。
ただでさえ、カード使用におよび腰の消費者が相手なのですから、カードを使わせる
のが上手な企業が有利であることは明らかです。
アマゾンはもちろんですが、楽天が思い浮かびます。
楽天は海外市場も視野に入れて電子書籍ビジネスをはじめようとしています。
後発ではありますが、資金力、技術力ふくめて有望視されているようです。
私もそのひとりですが、電子出版を計画している人が願っているのは、消費者が
使いやすく、セキュリティもしっかりしたマーケットが整備されることです。
それが新興のネット企業であっても、海外の企業であっても構わないと思うのです。


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-05-02 12:25:54 (286 ヒット)

あるテレビ番組で、深夜、ホテルの部屋で執筆する五木寛之氏の映像が流れて
いました。ものすごい筆圧によって書かれた文字が原稿用紙を埋めていきます。
布か皮のようなものを分厚く巻いた万年筆は、指を保護するためだと話していました。
手書きの迫力というのはあるものだなあ、と改めて感じ入りました。
活字化される文章のうち、手書き原稿の割合がどれくらいなのか知りませんが、
年々、減っていることは確実です。五木氏の手書き原稿はだれかがパソコンで入力
したうえで編集作業に入るわけですから、言うまでもなく高コストです。
老大家の特権でしょうか。

また聞きなので不確かな話ですが、小説家は年齢が高くてもパソコンで書く人が
意外と多いそうです。昔ほど小説が売れるわけでもないので、コスト抑制の圧力が
先生方に及んでいるのかもしれません。
手書き派の典型は特定分野の専門家というタイプだそうです。例えば学界の重鎮。
出版社側よりも書き手の立場が強いケースです。
(当方はささやかな出版事業を立ち上げようと、準備をしているのですが、先日、
受け取った原稿は手書きでした。学界の重鎮ではないですが、オンリーワン的な
存在感のある先生です。)

老大家とともに手書き原稿は亡びるのでしょうか。
そうとばかりは言えないということを電子書籍の専門家が話していました。
電子書籍が普及すれば、手書きの文章でも「本」として流通させることが可能に
なるからです。
江戸時代の写本が電子書籍化されだしていますが、手書き原稿もそれと同じで、
画像にしてパッケージ化するだけなので、技術的には簡単なことです。
電子書籍のメリットのひとつは、活字から自由になれることかもしれません。

いくら有名人でも経済評論家の手書き原稿に需要があるとは思えませんが、
ドラッカーならどうでしょうか。
長編小説を手書きの文字で読むのはつらそうですが、短編小説とか、詩や
短歌のようなものには可能性がありそうです。
手書きであれば、組版ルールや活字のフォントに制約されることなく、意図した
文字の表情を出せるはず。文学というよりビジュアルアートの領域かもしれませ
んが、その境界線も次第にあいまいになっていきそうな気がします。


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-03-26 10:08:29 (306 ヒット)

日経新聞の報道によると、4月にもamazonが日本での電子書籍ビジネスをはじめると
いうことでしたが、さて、どうなのでしょうか。
多少、遅れるのではという話もありますが、いよいよ時間の問題という感じになって
きました。それと連動するように、電子書籍をめぐる社会的なインフラも少しずつ整い
つつあるようです。
当方は、電子書籍を柱とするささやかな出版事業を立ち上げようと準備しているところ
ですが、小規模事業者でも参加しやすい枠組みができるのはありがたいことです。

個人的に問題だと感じているのは、電子書籍を作るためのスタンダードとなる方法
およびツールが定まっていないことです。
ガラパゴス的に進化した日本独自の電子書籍フォーマットを死守しようという雰囲気は
さすがになくなってきましたが、世界標準とされるEPUBで日本語の電子書籍を作る
ツールの決定版はいまだに出ておらず、いささか困っています。
日本の企業からもEPUB製作用のソフトが販売されていますが、原稿にHTMLの記述を
ほどこす方式で、ホームページの手作りそのものです。
遊び半分でやるには面白いとしても、私のような素人にはかなり難しいです。
簡単にEPUBが製作できる、と話題になっているのが最新版の「一太郎」です。
まだ触ったことがないので、どれくらいの性能なのかはわかりませんが、出版社
仕様ではないそうです。

そうこうしているところ、In Designの次のバージョンでは、高品質のEPUBを生成
できるようになるということを耳にしました(現行のバージョンでもEPUBでの出力は
できますが、まだ実験段階という感じです)という次第で、いい歳をしてIn Designの
修行のため、日本エディタースクールの土曜講座に通うことにしました。
紙の本も作りたいと思っているので、In Designは避けて通れないとは思っていた
のですが、覚えることが多く、経年劣化した脳が悲鳴をあげています。
それにしても、近い将来、日本語の本であっても、Windows(あるいはMac)で書いた
原稿を、In Designで編集し、amazonの電子書籍サービスで販売するという時代に
なるのでしょうか。
私など愛国主義とはほど遠い人間ですが、どこか釈然としません。
そのあたりについては、いずれ別の機会に。


投稿者 : admin 投稿日時: 2012-02-27 11:18:07 (305 ヒット)

ベンチャー企業的に電子書籍をはじめている人から聞いたのですが、日本語で書かれた
本を英訳するのではなく、はじめから英語の電子書籍をつくってアマゾンなどで販売
しているそうです。
まだ実験的な段階ですが、アマゾンのサイトで登録手続きをすれば、その日のうちに
世界各国で販売開始されるようです。
売れるかどうかは別問題ですが、たいしたコストをかけずに、世界中で「本」を売る
ことが可能なのです。ただし、英語に堪能であればという条件がつくのですが。

そういえば、大学に勤務する知り合いの研究者が「日本で研究していても、英語で
情報を集め、英語で思考し、英語で論文を書くという毎日。
日常会話でなんとか日本語とつながっているんだよ」とこぼしていたのを思い出します。
学術論文は網羅的な検索が求められるため、デジタル媒体が重宝されており、一足早く
電子書籍の世界が出現しています。
そこではもちろん英語が共通言語です。

研究成果を英語で発表するという志向は、理系にとどまりません。
ひと昔まえは、経済学、社会学などの研究者は岩波を頂点とする一流出版社から
本を出すのがステイタスだったそうですが、今の若手研究者は海外の専門誌での
発表を競っているとも聞きます。
冗談にしか聞こえませんが、日本文学の論文であっても、英語で発表したほうが生産的
だという人もいるようです。

出版、新聞の言語空間はゆるやかに学問の世界とつながっていて、そのエキスを取り
入れていたので、アカデミズムの世界が英語圏にしか目を向けなくなれば、じわじわと
影響が出てくるのではないでしょうか。
衰退する日本語に見切りをつけ、英語で書く作家やジャーナリストが珍しい存在では
なくなる日はそう遠くないのかもしれません。
その是非はともかくとして、こうした潮流は加速することはあっても、とどまることは
ないように見えます。
残念ながら、私は英語を書くのも読むのも苦手。ただ、国境なき出版の時代がはじまって
いるということは肝に銘じておきたいと思っています。


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