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連載コラム

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菅原然子の教育ウォッチ

【菅原然子プロフィール】

フリーランスライター・編集者。主に教育関連の雑誌およびweb媒体の記事執筆等に かかわる。趣味はチェロを弾くこと。家族は夫と娘(2歳、0歳)+パグ犬とウサギ。

  
投稿者 : admin 投稿日時: 2017-04-04 12:43:18 (5 ヒット)

先月14日、学習指導要領改定案が文部科学省によって示されました。小学校は2020年度から全面実施される指導要領です。学習指導要領とは、全国どこの学校でも、一定水準の教育を子どもが受けられるようにするため、各教科で教える内容の目標や内容について示したものです。

指導要領は、だいたい10年に1回改訂されます。歴史的に見ると、「ゆとり」を追求すると、10年後の改訂ではその反動から教育内容を増やす、というようなことが繰り返されています。今回は、外国語活動が小学校3年から開始になり、小3〜6の授業時間数が年間35コマ増えることに。また、他の授業の内容でも、一斉授業型から対話型など、議論を重視した方法への転換がうたわれています。

こうした内容を見て、一番に頭に浮かんだことは、「現場の先生たちが今以上に大変になってしまうのでは」ということです。電通の女性社員の方が、過労から自殺されたニュースは社会に衝撃を与えましたが、実は学校現場で働く先生たちも、毎日の過酷な労働によってかなり疲弊しているのです。

週当たりの残業時間が60時間を超える公立小中学校の先生が全体の7割を超え、それでも職場では仕事が終わらず自宅に持ち帰ってこなす人が少なくありません。仕事内容は、各種書類作成をはじめとした事務作業が膨大だそうです。保護者対応なども含めると、先生の仕事の中枢である、授業研究に充てられる時間は本当に少なくなってしまうと、以前の取材で聞きました。精神疾患により休職する先生も少なくありません。

先生たちがつらければ、一番に影響を受けるのは、子どもたちでしょう。先生の労働環境を整えることが急務であり、今回の改定案にもカリキュラム・マネジメントという提案がなされていますが、根本的解決のためには先生の人数を増やし、一人にかかる負担を減らすべきだと思います。

このコラムでも何度か書いてきましたが、日本は子どもに国のお金をかけなさすぎます。先生を増やすことは、子どものためにお金を使うこと。これからの社会を作っていくのはいったい誰なのかを考えて、適切な予算配分をしてほしいです。よく、何か事業を起こすときや、企画を実現させようとするとき、人は「先立つものがなければ」と言いますが、教育だって同じなのです。新しい学習指導要領を本気で実現させたいのであれば、相応のお金をかけるべきです。


投稿者 : admin 投稿日時: 2017-03-03 18:51:59 (7 ヒット)

昔から、教育改革には興味をもっていましたが、子どもを産んでからというもの、かなり「自分ごと」として捉えるようになりました。

ここのところの自分の中での注目度が上がってきているのは、2020年度から小学5,6年で正式教科になる「英語」です。20年度は新学習指導要領が実施される年。英語以外にも変化がある年ではあるのですが、これまで「外国語活動」として実施されていた時間が、正式教科になることは、中でも大きな変化だと言えるでしょう。

長女は現在小学1年。ふと計算してみたら、2020年度になんと、小学5年! そして同年から小学3,4年に外国語活動が導入されますが、次女は20年度に小学3年になる予定。この改革をドンピシャで受ける年齢だった、と、今更気づきました。

こんなに多くの学年で英語(外国語活動とは言われていますが、実質はほぼ英語です)を扱うようになると、今以上に先生方の負担は増えるでしょう。
でも、決定したことは避けられないのが今の日本の制度。ではどのような姿勢で取り組んでいくのがよいのでしょうか。グレゴリー・グラスゴーさん(ニューヨーク大学東京校専任講師)は、これまでの経験上、小学校での英語活動がうまくいっているのは、ALTと担任教師が対等の関係でその時間に関わっていたケースだと話します(「ネイティブ教員と役割を対等に」朝日新聞2017年2月2日)。ただのお手伝いではなく、担任教師も主体的にかかわることが大事なようです。

「でも、私はネイティブではないし」「発音に自信もない」という先生も多いでしょう。グレゴリーさんはこうも言っています。
「英語を話す人口は世界で20億人近くですが、ネイティブは2割前後。(中略)日本人教員の強みは、自らも英語学習者であり、子どもたちがどこでつまずきやすいかがわかること。学習者としてのモデルになればいいのです。」

なるほど。英語というとネイティブスピーカーのことを思い浮かべがちですが、実は英語が母国語という人はそれほど多くはないのです。もちろん発音がよいに越したことはないでしょうが、グローバル化する社会の中で子どもに英語を教える意味は、コミュニケーション能力を高めることにあると思います。

ですから、担任教師とALTが授業の場を使ってコミュニケーションをする姿を積極的に示すことが、自然と子どもたちへの教育につながる、とも考えられます。複数の人数でのディスカッションを見せるのであれば、保護者ボランティアをつのってもよいでしょう。

大人たちが、生き生きと、楽しそうに英語を使ってコミュニケーションをする様子を見せることが、子どもたちに「なんか、英語っていい道具だな。使ってみたい」と思わせるきっかけになるかもしれません。
小学校では、英語学習の動機づけさえできれば、十分なような気がします。


投稿者 : admin 投稿日時: 2017-02-08 17:17:24 (37 ヒット)

子育てをしながら思うのは、ご飯を一緒に食べることは意外と大事なのではないか、ということ。
もちろん家族揃ってというのは無理なのですが(夫は平日帰宅が遅い)、
それでも親子3人で他愛もないことをしゃべりながら囲む食卓は、もしかしたら
今くらいしかできないのかもと思うと、ますます大事に思えてきます。

漠然とこう考えていたところ、「やっぱりそうなんだ」と思わせてくれる番組を見ました。
今年の1月9日、NHK総合で放送された「ばっちゃん 子どもたちが立ち直る居場所」です。
広島に住む82歳の中本忠子さんは、元保護司。
罪を犯したり、非行にはしった人たちのその後を支えてきました。
まわりの人は彼女のことを、親しみを込めて「ばっちゃん」と呼びます。
ばっちゃんの家には、いつも子どもや若者が来て、ばっちゃん手作りのご飯を食べていきます。

母親の再婚相手に自分と同い年の子どもがいたマコト。
ばっちゃんの家のすぐ近くに住む彼は、自宅に自分の居場所はないと言います。
小学生のころからばっちゃんの家に来てはご飯を食べてきました。
また他の少女は「親は、産むだけ産んで、なんにも世話をしなかった」と語ります。

小さい頃はそれがどういうことか分からなかったけれど、大きくなって意味が分かってきて、
「辛いのは、心の居場所がないことよ」と語りました。
そんな彼らが訪ねてきたら、ばっちゃんはまず、あったかいご飯を作って食べさせます。
そうすると、ぽつぽつと心のうちを話し始めるのだといいます。
「まずはご飯。悪さをするのはお腹がすいているから」と言うばっちゃん。
どんな子にも真剣に向き合い、そして子どももばっちゃんとこの家を、
心のよりどころとしていることがよくわかりました。

記者の「どうして続けられるのですか」との問いに、
「やめたいわよ。辛い事ばっかりよ」と答えたばっちゃん。
でもある時この記者にぽつりと「面と向かって子どもに“助けて”と言われたことがないから、
そういう質問ができるのかもね」と言ったそうです。

子どもが、家庭を自分の「居場所」と思えるようにするにはどうしたらいいのでしょうか。
やはりまずはそこが安心できる場所であり、自分を受け入れてくれる人がいる場所であると
確信させられるようにしなくてはと思います。食卓で同じ食事を食べ、何気ない事でもしゃべること。
それは、居場所確認のための第一歩なのかもしれません。


投稿者 : admin 投稿日時: 2016-12-27 14:21:22 (50 ヒット)

幼稚園児、小学生の子どものいる我が家。冬の2大恐怖は感染性胃腸炎とインフルエンザです。
今年は近所の小学校で、なんと10月下旬からインフルエンザがはやり始め、その頃にすでに学級閉鎖が。
もたもたしていてまだ受けていなかった予防接種を、あわてて母子3人で受けに行きました(夫は職場で接種)。

 しかし、ほっとしていたのもつかの間、なんと先週、次女が生まれて初めて胃腸炎に罹患しました。
その前の週に幼稚園で感染性胃腸炎がはやり、欠席者が多かったのですが、そこはなんとか切り抜け、
やれやれと思っていた頃にいきなりきました。

 胃腸炎は感染性であればひじょうにうつりやすいので、家中というくらい塩素系漂白剤で消毒。
頑張りましたがダメでした。
無残にもその3日後、長女も罹患。長女がかかるのもおそらく4年ぶりくらいだったでしょうか。

「手は石けんでよく洗ってから、最低15秒間水で流す」「うがいをする」を励行していたのにこの結果です。
よっぽど今年は当たり年なのかと思っていたら、
ある日の夕刊1面に「ノロウィルス猛威」の記事(朝日新聞 2016年12月13日夕刊)。
近年ない型が流行していて、免疫のない幼児を中心に集団感染も広がっているようなのです。
 幼稚園も手洗い、消毒の徹底を先生方がとても丁寧にしてくださっており、小学校でも、
給食を向かい合って食べないなど対策をとってくださっています。
それでも胃腸炎による欠席者がゼロになることはまずないようです。

インフルエンザは予防接種があり、たとえかかったとしてもウィルスに打撃を与える薬もあります。
しかし、感染性胃腸炎は、予防接種薬もなければ、一度かかると自力で体外にウィルスを排出しなければ
回復しないという恐ろしい病気。
そして、リバース、下痢と、看病も大変です。お母さん友だちの中でも「インフルもかわいそうだけれど、
胃腸炎のほうが親子共に大変」という声はよく聞きます。
規則正しい生活、栄養のある食事で免疫力を高め、徹底的な手洗いうがいを励むしかないのでしょうが、
毎年この季節になると、胃腸炎の有効な予防薬が出ないものかなと、ついつい薬に願いをかけてしまう私です。
皆様もどうぞお気を付け下さい。


投稿者 : admin 投稿日時: 2016-12-09 10:56:51 (58 ヒット)

 今月、生活哲学学会という学会が立ち上げられました。個々人の日常生活の構築について見直し、
家事その他、実践的な部分を学び、その智恵を広げていこうという理念の学会です。
知り合いが常務理事をなさっており、お声掛けいただいてキックオフ集会に行ってきましたが、
常々、「仕事仕事というけれど、まずは日常生活をきちんと回せるかどうかが大事」と思っていた私にとっては
ひじょうに意味深い学会という印象を受けました。

 日本の国の財政が危機的状況であることは、誰もが承知していると思います。
毎年返すあてのない借金を重ねている今の状態は異常です。
数字を見ながらいつも思うのは、家庭で家計簿をつけ、一家の経済管理をきちんとしている人が
国家予算をたてていれば、こうはならないのでは?ということ。
社会の中の一番小さな集合体である、家庭での経済管理ができなければ、大きな国の経済管理なんて、
とてもできないと思うのですが、どうでしょうか。

 家計簿もしかりですが、家事、つまり「家の事」というのは
これまであまり表だった話題にのることがなかったと思います。
それはできて当たり前で、どこかであえて習うようなものでもなく(料理は教室がありますが)、
仕事に比べたら「お金」という目に見える生産物もないので、低い地位におかれてきたのです。

 でも、考えてみてください。仕事というのは、ほとんどが人間相手のもの。
人間は生きていくために家事が必要です。
その家事について知らずして、質の高い仕事ができるでしょうか。
売れるものの開発ができるでしょうか。

 戦前、日本はまだ、家庭の中で親から子に家事の伝承が行われていたと思います。
特に江戸時代などは、家庭内のメンバー全員が働く、共働きが普通だったので、
その中で子どもも、自然と親が仕事をし、家事をする姿を見て育っていました。
ですが戦後、高度経済成長期になってから、男は外で働き、女は家を守る、
という形が効率的に経済成長を支えるとされ、専業主婦が生まれました。
この時代、母親は家事を一手に担い、子どもには「家の事はいいから勉強しなさい」と言い、
家庭内での家事の伝承は途切れます。

 その結果、仕事はするけれども家事なんてできない、という人をたくさん生み出しました。
男性も、女性もです。
人生を豊かにしたいのであれば、まずは自分の暮らしを自分で成り立たせられることが第一。
それは経済的自立もそうですが、身の回り一切のことが基本的に回せることも含まれると思います。

 今こそ家事、言い換えれば生活をクローズアップし、
生活を大事にするには何ができるかを考える時ではないでしょうか。

そうした意味で生活哲学学会の設立意味は大きいと思います。


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